年月に濾過されて より純粋になる君の軌跡 譜面台に干されたまま 誰にも触らせなかった花びらの遺言は 庭に埋めたカブト虫が咲かせた曲だと 君が決めたそれが かなしさのひとつめ 薬袋の中にコトリと落とした 金属の匂いのするパスワードを 朝と晩に飲むことは 君の顔を歪めさせたそれも かなしさのひとつめ 記憶のフィルタに手を振り 濡れた服を脱ぎ捨て 飛行機雲の先端に飛び込んだ 目の奥の映像が寒さに沁みる 君が教えたエナジーの期限を この家では花だけが習得し 時期が来れば鮮やかに倒れるそれを 幾つめのかなしさにしようか
by alex_zone
| 2008-02-11 22:30
| 詩
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